【趣味で始める陶芸入門】日本の陶磁器の産地~六古窯+25ヶ所を紹介

全国の窯場
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日本の焼き物は縄文土器に始まり、その歴史は一万年以上あります。

現在の日本でも陶磁器の生産は続いており、九州・沖縄から東北地方までさまざまな地域でそれぞれの伝統が受け継がれてきました。

そうは言っても、どこでどのような陶磁器が作られているのでしょうか?

900年以上歴史のある産地は6ヶ所、それ以外で伝統的工芸品に指定されている陶磁器の産地は25ヶ所あります。

もちろん個人で制作している人はもっといろんな場所にいるわけですが、ここでは「陶磁器の産地」として挙げられる地域について紹介していきます。

【趣味で始める陶芸入門】日本の陶芸の歴史~縄文からの変遷を解説
普段私たちが使っている陶磁器の器、一体いつくらいから日本で作られるようになったと思いますか?一万六千年ほど前に始まったとされているんです。縄文土器から現在のような器になるまでには、さまざまな技術の進歩や時代ごとの変化がありました。そんな長い歴史を持つ日本の陶芸の歴史について、順に紐解いていきます。

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中世から900年以上生産が続いている日本六古窯

日本には、「六古窯(ろっこよう)」と呼ばれる歴史ある陶磁器の産地があります。

六古窯に指定されているのは、中世(平安時代〜室町時代)に始まり現在もなお陶磁器の生産が続いている越前・瀬戸・常滑・信楽・丹波・備前の6つの産地。

古くから焼き物の町として栄え、その伝統が受け継がれている地域です。

六古窯それぞれの歴史や特徴をお伝えします。

越前焼(えちぜんやき)

福井県越前町で作られる陶磁器を、越前焼と呼びます。

生産が始まったのは平安時代末期とされ、もともと作っていた須恵器に常滑()の焼き物技術を取り入れたのが始まりと言われています。

鉄分の多い土を使うため、表面が赤黒っぽい色や赤褐色となり、硬く焼き締められていることから水漏れしにくいという良さがあります。

釉薬を使わずに焼き、窯の中で薪の灰が溶けて流れる自然釉(しぜんゆう)の独特な風合いも特徴。

壺や甕(かめ)、すり鉢などをメインに作っていましたが、江戸時代後期以降は食器も作られるようになりました。

越前焼は福井を代表するやきもの【全国の焼き物と窯場を紹介】
越前焼(えちぜんやき)は、福井県丹生郡越前町の主に宮崎地区・織田地区で焼かれる炻器。釉薬を用いずに高温で焼成されるときに薪の灰が器に流れ出し、溶け込む自然釉の風合いで知られる。高温で焼き締めるため、磁器と陶器の中間の炻器と呼ぶのが正しい。織田焼と呼ばれていたが、日本六古窯の一つにあげられた際に越前焼と名付けられた。

瀬戸焼(せとやき)

愛知県瀬戸市の猿投窯(さなげよう)で、9世紀前半に作られ始めたのが瀬戸焼です。

陶磁器を作るための土に恵まれた土地であることや、中国の陶磁器を参考に日用品としての器を作ったことから、日本最大の陶磁器生産地として発展したとされます。

当時の六古窯の中では唯一、釉薬をかけて焼いていた地域。そのため、他の5つの地域の器とは見た目の雰囲気がまったく異なります。

釉薬をかけることで水漏れしにくく、器の強度が上がるため、植物の灰を釉薬として使っていました。

伝統的工芸品としては「瀬戸染付焼」として登録されており、真っ白い磁器に青い呉須(ごす)という絵の具を使って描かれた写実的な絵柄が特徴。

せともので知られる瀬戸焼【全国の焼き物と窯場を紹介】
瀬戸焼(せとやき)は、愛知県瀬戸市とその周辺で生産される陶磁器の総称。日本六古窯の一つ(瀬戸窯)。東日本で広く流通し、瀬戸物(せともの)は陶磁器を指す一般名詞化した。茶器桃山時代から、黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部などの茶器が多く作られるようになる。瀬戸の磁器は加藤民吉親子が有田から染付磁器の製法を伝え、磁器が主流となる。

常滑焼(とこなめやき)

六古窯の中で一番古いのが常滑窯です。愛知県常滑市を中心とした知多半島で作られています。

かつては合計3,000基以上の窯があったとされており、非常に大規模な生産地であったことがわかります。

常滑焼の技術は他の産地にも影響を及ぼしており、全国各地に広く流通していたともされます。

その特徴は、表面の色。

釉薬をかけない焼き締めの器なのですが、土に含まれる鉄分を赤く発色させているため独特の色合いとなっています。

朱泥の急須と言えば常滑焼【全国の焼き物と窯場を紹介】
常滑焼(とこなめやき)は、愛知県常滑市を中心とし、その周辺を含む知多半島内で焼かれる炻器で、日本六古窯の一つ。江戸時代の終わりに連房式登窯が現れ土管・甕・朱泥製品がつくられた。明治時代になって倒炎式角窯が使われるようになり、土管・焼酎瓶・建築陶器(煉瓦・タイル)衛生陶器も作られるようになった。

信楽焼(しがらきやき)

たぬきの置き物で知られる信楽焼は、滋賀県信楽町を中心に生産されたものです。

こちらも常滑焼の技術に影響を受けており、釉薬をかけずに焼くため、自然釉がかかって不均一な模様となるのも特徴。

信楽の土には長石などの石が多く含まれており、焼き上がるとザラザラとした質感になります。

その質感や素朴な雰囲気が、かつての茶人たちに茶道具として愛された理由のひとつです。

スカーレットで注目の信楽焼【全国の焼き物と窯場を紹介】
信楽焼(しがらきやき)は、滋賀県甲賀市信楽を中心に作られる陶器で、日本六古窯のひとつ。狸の置物が著名であるが、多様な発展を遂げている。室町・桃山時代以降、茶道の隆盛とともに「茶陶信楽」として茶人をはじめとする文化人に珍重された。現在では、タヌキなどの置物、傘立て、庭園陶器、衛生陶器など生活に根ざした陶器が造られている。

 

丹波焼(たんばやき)

平安時代末期から鎌倉時代初期くらいに生まれたとされる丹波焼は、兵庫県の篠山市、三田市、加西市で作られています。

伝統的工芸品としては、「(たんばたちくいやき)」という名前で登録されています。

作るための道具として左回転の蹴ろくろが使われるのですが、これは日本の中でも珍しいスタイル。

丹波焼は日常の器がメインで、灰釉や鉄釉を使った飾り気のない、それでいて多様な器が作られています。

丹波焼の産地は兵庫県【全国の焼き物と窯場を紹介】
丹波立杭焼(たんばたちくいやき)は兵庫県篠山市今田地区付近で焼かれる陶器。丹波焼、または立杭焼ともいう。六古窯の一つ。中世の丹波焼の特徴は赤っぽい土肌にかかる、焼き締めによる自然釉。備前焼、信楽焼に比べ、若緑色のおとなしめで爽やかな作品が多い。現代の丹波焼でもその風合いを引き継いだ民芸調の作品が多く見られる。

備前焼(びぜんやき)

岡山県備前市伊部で作られる備前焼は、岡山県の邑久(おく)と呼ばれる地域に源流があるとされます。

六古窯の中で唯一源流が異なり、須恵器の生産地として有名に栄えていたそうです。

使われている土は「干寄(ひよせ)」と呼ばれていて、伊部地区の田畑の地下から採られる貴重なもの。

掘って集めた土は屋外に積み上げて保管し、数年雨ざらしにしたのち、ようやく使うことができるようになります。

備前焼も釉薬をかけずに自然釉の風合いを楽しむ陶磁器です。

素朴な味わいの備前焼【全国の焼き物と窯場を紹介】
備前焼(びぜんやき)は、岡山県備前市周辺を産地とする炻器。日本六古窯の一つに数えられる。備前市伊部地区で盛んであることから「伊部焼(いんべやき)」との別名も持つ。釉薬を一切使わず酸化焔焼成によって堅く締められた赤みの強い味わいや、窯変によって生み出される模様が特徴。使い込むほどに味が出ると言われ、飽きがこないのが特色。

旅する、千年、六古窯 - 日本六古窯 公式Webサイト [日本遺産] -
日本六古窯 公式Webサイト。六古窯とは、古来の陶磁器窯のうち中世から現在まで生産が続く代表的な6つの窯(越前・瀬戸・常滑・信楽・丹波・備前)の総称。本サイトは、各古窯の現在に至る変遷を紐解き、関連資料をアーカイブ、発信していきます。

伝統的工芸品の陶磁器生産地は六古窯+25ヶ所

日本の伝統的工芸品に指定されている陶磁器は31種類あって、先ほど紹介した六古窯以外にも25の地域で伝統的工芸品としての陶磁器が作られているんです。

その25の焼き物と産地はこちら。(カッコの中が産地)

  1. 大堀相馬焼(福島県)
  2. 会津本郷焼(福島県)
  3. 笠間焼(茨城県)
  4. 益子焼(栃木県)
  5. 九谷焼(石川県)
  6. 美濃焼(岐阜県)
  7. 赤津焼(愛知県)
  8. 萬古焼(三重県)
  9. 伊賀焼(三重県)
  10. 京焼/清水焼(京都府)
  11. 出石焼(兵庫県)
  12. 石見焼(島根県)
  13. 萩焼(山口県)
  14. 大谷焼(徳島県)
  15. 砥部焼(愛媛県)
  16. 小石原焼(福岡県)
  17. 上野焼(福岡県)
  18. 伊万里/有田焼(佐賀県)
  19. 唐津焼(佐賀県)
  20. 三川内焼(長崎県)
  21. 波佐見焼(長崎県)
  22. 小代焼(熊本県)
  23. 天草陶磁器(熊本県)
  24. 薩摩焼(鹿児島県)
  25. 壷屋焼(沖縄県)

陶磁器は、すべての都道府県で作られているわけではありません。

それぞれの地域へ出向いて、焼き方や模様に特徴を見比べてみるのも面白いですよ。

【趣味で始める陶芸入門】陶磁器の見方、選び方、使い方のポイント
焼き物と一口に言っても陶器や磁器、炻器など、様々な種類があります。普段は何気なく使っているその食器、陶器か磁器かによって特徴がありますし、使うときやお手入れで注意したいポイントがあるんです。せっかく手に入れた器を長くきれいに使っていくためにも、その特徴と使うときの注意点を覚えておきましょう!

まとめ

古くは縄文時代から作られている日本の焼き物。

その中でも900年以上の歴史を持つ六古窯では、自然な風合いの仕上がりが特徴で今もなおファンが多くいます。

産地では定期的に陶器祭りを開催している場所もありますので、ぜひ現地でそれぞれの違いを手にとって確かめてみてください!

文:ユキガオ