やきものにはどんな種類がある? 陶器や磁器… その違いと特徴を解説

2019.02.16

焼き物は「陶器」と呼ばれることもあれば「陶磁器」と呼ばれることもありますよね。

だけど正直、どんな違いがあるのかよくわからないままその言葉を使っている人も多いのではないでしょうか?

実は使われている原料や焼き方によって種類分けされているので、厳密には呼び方によって違いがあるんです。

 

種類は大きく分けるとこちらの4つ。

  1. 陶器
  2. 磁器
  3. 炻器(せっき)
  4. 土器

聞いたことのあるものもあれば、聞きなれない単語もあると思います。

「陶磁器」と呼ばれる場合は焼き物全般を指していることが多いのですが、主に陶器と磁器のこと。

では、それぞれどんな違いがあって、見分けるポイントはどこなのでしょうか?

 

陶器は吸水性があり、温かみがある

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陶器は自然から採れる粘土を原料として作られたものを指します。

陶器を作るための土を陶土(とうど)と呼びますが、陶土を成形して素焼きしたのち釉薬(ゆうやく)を掛けて1100度〜1300度程度で焼きます。

陶芸の世界では土物(つちもの)とも呼ばれ、目の荒い土を使っているため釉薬をかけていても吸水性があり、ややもろいのが特徴。

ぶつけたりすると欠けやすいため、扱う際は注意しましょう。

厚めに作られることが多く、温かみのある印象を受けます。厚さゆえに温度の変化に強いというメリットも。また、光にかざしてみても光を通すことはありません。

ザラザラとした質感の素地が特徴的なので、釉薬がかかっていない高台(こうだい)部分などから見分けることができます。

日本では、美濃焼や瀬戸焼、益子焼、笠間焼、唐津焼などが陶器として有名です。

 

磁器は石から作られ、白くて硬い

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磁器の原料は、陶石(とうせき)という岩石を細かく砕いたもの。

磁器を作るための土は磁土(じど)と呼ばれ、陶器の「土物」に対して「石物(いしもの)」と呼ばれることもあります。

焼成温度は1300度程度で、陶器より高い温度で焼かれるのが特徴。

焼き上がるとガラス化するため硬くなり、軽く指で弾いてみると「キン」と金属を叩いたときのような音がします。水も通しません。

磁土は非常に目が細かく、白くツルッとした手触りに焼き上がります。釉薬をかけていない部分も、サラサラとした滑らかな手触り。

薄手に作られることが多く、光にかざすと透けて見えることもあります。熱しやすく冷めやすいため、熱いものを入れたときは気をつけましょう。

陶器よりはかたいものの、薄くて割れやすいため扱う際は丁寧に。割れると断面が鋭くなるので素手で触らないようにしてください。

伝統的な磁器は、主に染付(そめつけ)といって絵の具を用いて絵が描かれ、透明な釉薬をかけて仕上げられることが多いです。

有田焼や京焼、九谷焼などは染付で装飾された磁器が多いので、気になる方は現地へ足を運んでみてもいいかもしれませんね。

 

炻器は土をかたく焼き締めたもの

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炻器(せっき)の原料は陶器と同じで陶土なのですが、陶器と違う点は高温で焼き締められているという点。

1200度〜1300度で長時間焼かれるため、かたくて吸水性のない器になります。丈夫で傷がつきにくいのがメリット。

叩くと磁器のように高い澄んだ音がしますが、陶土を使っているため磁器と違って光を通すことはありません。

歴史で習った「須恵器」はこの炻器に分類されます。現在の日本の焼き物で言えば「信楽焼」や「備前焼」「丹波焼」といった焼き物が炻器にあたります。

釉薬をかけずに焼かれることが多いのですが、薪を使って焼くため自然釉と呼ばれる木の灰がかかって独特の風合いが生まれるのが特徴。

 

土器は低温で焼かれたもろい焼き物

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歴史の教科書で見た「縄文土器」や「弥生土器」は、もともと焼き物の源流にあたるものです。

当時は野焼きといって、地面の上や地面に掘った穴の中で火を起こして焼いていました。そのため焼成温度は700度〜800度程度。

高温で焼くことができず、釉薬をかける技術もなかったため、もろくて水を通す器になってしまいます。

現在でも、子供向けの教育やワークショップとして野焼きをされることがあります。火を使うため注意が必要ですが、専用の窯がなくても焼くことができるのがメリットです。ただし土器を食器として使うことは難しいでしょう。

 

やきものの種類まとめ

大きく4種類に分けられる焼き物についてまとめると、このようになります。

①陶器:陶土を使い、1100〜1300度で焼いたもの。あたたかみがあって吸水性があり、光を通さない。

②磁器:磁土を使い、1300度程度で焼いたもの。ガラス質でかたく吸水性はないが、光を通す。

③炻器:陶土を使い、1200〜1300度で長時間焼いたもの。かたくて吸水性はなく、光を通さない。

④土器:粘土を使い、700〜800度で焼いたもの。もろくて水を通し、釉薬もかかっていない。

 

それぞれの種類に特徴があり、それぞれに良さがあります。

焼き物を見るとき、これらの違いを頭の片隅に入れておくと一層楽しめるかもしれませんね。

またひとくちに「陶器」「磁器」といっても、生産地や装飾によってその雰囲気はさまざまですので、用途を考えながら種類を見分けて、ぜひお気に入りの器を見つけて見てください!

 

文:ユキガオ

 

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