【趣味で始める陶芸入門】陶磁器の特徴~お手入れと使うときの注意点

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焼き物と一口に言っても陶器や磁器、など、様々な種類があります。

(参考)やきものにはどんな種類がある? 陶器や磁器… その違いと特徴を解説

ですが、私たちがいつも食器として使っているのは、ほとんどが陶器か磁器。

普段は何気なく使っているその食器、陶器か磁器かによって特徴がありますし、使うときやお手入れで注意したいポイントがあるんです。

せっかく手に入れた器を長くきれいに使っていくためにも、その特徴と使うときの注意点を覚えておきましょう!

陶器と磁器の特徴とは?

陶器と磁器、よく見たら違いがあるんですが、どうやって見分けたらいいのかわかりにくいですよね。

それぞれの特徴を簡単にまとめますので、まずは今持っている食器がどちらなのかチェックしてみてくださいね!

陶器

陶器は、磁器に比べて目の荒い土から作られているので、ザラザラしているのが特徴です。

ただし釉薬がかけられている部分はつるんとしていることもあるので、器をひっくり返して高台と呼ばれる部分を見てみましょう。

器を置いたときにテーブルに接する部分には釉薬がかけられていないことが多いため、そこを見て見分けることができます。

 

目が荒いため吸水性が高いことも特徴。磁器に比べてもろく、欠けたりヒビが入りやすいです。

叩くと低くて鈍い音がしますので、指で軽く叩いてみてもわかるでしょう。

光にかざしても、まったく光を通さないというのも特徴。

磁器

磁器は、陶石(とうせき)という石を原料として作られていて、非常に目が細かいのが特徴。

器をひっくり返してみると、テーブルに接する部分はツルツルしていることがわかります。色も、透明感のある白なので、陶器の白とは違います。

【趣味で始める陶芸入門】陶磁器の見方、選び方、使い方のポイント
焼き物と一口に言っても陶器や磁器、炻器など、様々な種類があります。普段は何気なく使っているその食器、陶器か磁器かによって特徴がありますし、使うときやお手入れで注意したいポイントがあるんです。せっかく手に入れた器を長くきれいに使っていくためにも、その特徴と使うときの注意点を覚えておきましょう!

陶器のような吸水性はなく、叩くとカンカンと高い音がします。

また、光にかざしてみると向こうの光が透けて見えるのも磁器の特徴です。

ただし熱しやすく冷めやすいため、保温性は低く、熱いものを入れたときには注意が必要です。

陶磁器を使う前・使った後のお手入れ方法

陶器と磁器の特徴を覚えたところで、使うときの注意点についてみていきましょう。

陶器・磁器ともに気をつけたほうがいいこともあれば、特徴に応じた注意点もあります。

使う前、使った後にどう取り扱うべきか、どんなお手入れをしたらいいのか、お伝えします。

  

陶磁器を使う前にやっておきたいこと

陶器は、表面がどんなにつるんとして見えても目が荒く吸水性があるため、初めて使う前に「目止め(めどめ)」という作業を行いましょう。

目止めを行わなくても使うことはできるのですが、長くきれいに保つためには必須です。

一般的な目止めの手順はこちら。

  1. 器が浸かる大きさの鍋に、米のとぎ汁を入れる。
  2. 器を鍋の中に入れたら、そのまま15〜20分ほど煮る。
  3. 火を止めてそのまま冷まし、鍋から取り出したら洗って乾かす。

米のとぎ汁の糊成分が器の細かい隙間に入り込み、料理の汚れが染み込みにくくなるんです。

米のとぎ汁の代わりに小麦粉をといた水を使っても同じ効果が得られます。

鍋に入らないような大きな器であれば、しっかり乾かし、煮詰めた米のとぎ汁のを流し込みます。

そのまま1〜2時間程度おいてから洗い流し、拭いて乾かしましょう。

その後、使うたびに水にくぐらせて使うと汚れが付着しにくくなるのでオススメです。

磁器の場合は、目止めは必要ありません。ただし、使う前に水にくぐらせて使うというポイントは陶器と同じです。

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日本には、六古窯(ろっこよう)と呼ばれる陶磁器の産地があり、中世(平安時代〜室町時代)に始まり現在もなお生産が続いている越前・瀬戸・常滑・信楽・丹波・備前の6つの産地を指します。古くから焼き物の町として栄え、その伝統が受け継がれている地域です。それ以外で伝統的工芸品に指定されている陶磁器の産地は25ヶ所あります。

陶磁器を使った後にやっておきたいこと

陶磁器を使ったあとは、できるだけ早く洗って乾かすようにしましょう。

洗うときは、やわらかいスポンジで中性洗剤を使います。食器洗浄器は磁器は使えるのですが、破損の原因になりやすいので大切な器は手洗いで。

陶器は基本的に食器洗浄器で洗うことができませんので気をつけてください。

そして洗ったら、拭いてしっかりと乾かすのがポイント。

陶磁器は素地が出ている部分がありますので、しっかり乾いていないとカビが生えることもあります。

しばらく使わないようなものは、天日干ししておくと安心です。

器を重ねるときも、上の器の底で下の器を傷つけてしまったり重なった部分で衝撃を与えたりといったことがないよう、間に紙や薄い布を挟むのがオススメ。

陶磁器を使うときに注意すべきポイント

陶磁器を使う前と使った後にやっておきたいことは以上ですが、使っていく中で特に気をつけてほしいことが3つあります。

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電子レンジ、オーブンでの使用

磁器は電子レンジでも使うことができますが、陶器は使えないものも多くあります。

買うときに、お店や作家さんに確認するようにしましょう。

オーブンは非常に高い温度になるため、耐熱性の土を使った器しか使うことができません。

一般的な陶磁器は耐熱性がありませんので、オーブンには使わないほうが安心です。

長時間、汚れや水につけっぱなし

陶器は吸水性があるため、目止めをしたといっても長時間汚れを放置していれば染み込んでしまいます。

色の濃い料理・飲み物や匂いの強い食材を入れたあとは、できるだけ早く洗うようにしましょう。

また水につけっぱなしにしているとカビが生えたりシミができる原因になるので避けたほうがいいです。

金彩・銀彩は電子レンジNG

陶器・磁器ともに、金や銀の上絵が施された器は、電子レンジでの使用ができません。

もし電子レンジで使ってしまうと、金や銀の部分から火花が散って火災につながる恐れがあります。

お手入れのポイントと使うときの注意点まとめ

食器は普段使いするものなので、気にしてお手入れすることは少ないかもしれません。

ですが、長く使いたいものや大切なものであれば、きちんとお手入れすることが大切。

少し手間はかかりますが、手をかけた分だけ愛着も湧きますし、大切に使おうという気持ちにもなります。

陶器と磁器それぞれ特徴、そして使う前と使った後の注意点を覚えておいて、今持っている器やこれから出会う器を大切にしてくださいね。

文:ユキガオ 

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