【陶芸を語る】陶芸家 東香織さん

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うつわの造形美と貝をモチーフにした模様で異彩を放つ女流陶芸家

陶芸家・東香織氏1

東香織(あずま かおり)さんが作るうつわの特徴の一つが、その丸みを帯びた女性らしい造形美にある。

うつわの色も同じく女性らしく陶の持つやわらかいイメージを感じさせる。

彼女の作品の色調はオフホワイトと薄いピンクからなり、個性的なフォルムに貝を散りばめた世界が広がっている。

伝統工芸としての基本を踏まえながら、形から生まれる造形美を求め、うつわというキャンバスにさまざまな「貝」を表現していくのが彼女のテーマだ。

陶芸家 東香織 5つのこだわり

  1. 女性らしさを想像させる柔らかく丸みのあるフォルム
  2. 表面が乳白色と淡いピンクで覆われた温かく上品な色調
  3. 搔き落とし手法を駆使し、貝を散りばめた幻想的な世界
  4. 遠くから眺めたうつわの造形美、近くでわかる貝の緻密な美
  5. 美術品として飾っても楽しく、日常使いでも楽しめる

陶芸家になったきっかけは?

休日たまたま母と益子の陶芸家の個展を見に行ったときに、その作家さんから「陶芸が好きだったら自分でやってみたら」と言われたのがきっかけでした。

それから本格的にろくろを習ってみようと思い、知り合いのツテで陶芸家・山路和夫さんのもとで修業することになりました。

その後、茨城県窯業指導所に入所し、成形1科で1年間、釉薬1科で半年間陶芸の基礎を学びました。

10代の頃から美術は好きでしたが、まさか自分が陶芸を生業(なりわい)にするとは全く考えていませんでした。

東香織1

いまの作風はいつごろできたのですか?

最初は陶の食器をつくっていました。

そして出産のため一時陶芸から離れたことにより、自分の作った作品をいろんな方に見てもらいたいという気持ちがより高まり、公募展に出展するようになりました。

私の作品の特徴である搔き落としによる貝模様は、息子と海へ行ったときに貝をモチーフに取り入れないかと思いついたのがきっかけです。

同じ白でも真っ白ではない、やわらかい雰囲気になる白土を作り、光沢のないマットな釉薬やコバルトブルーの釉薬も使っています。

素焼きをする前に、白い化粧土をのせて搔き落としで貝紋様を描いています。陶器の土肌の白と化粧土の白を微妙に変え、表面に凹凸を出しています。

東香織3

丸い形や曲線のラインが多いですが

ろくろ、たたら、最近は手びねりが多いです。土が乾いて固くなる前に、うつわの表面を彫り、搔き落しの手法でうつわの表面を装飾しています。

図柄の下書きはません。女性らしさを作品で表現したいと考えています。

磁器は形も色もきちっとして固いイメージになりがちなので、私は土にこだわり陶器の持つやわらかいイメージを出せるように心がけています。

2018年11月20日 162

今後陶芸で目指す方向は?

ろくろ成形だけでなく、手びねりでより造形に特色のある自由な作品作りを考えています。

2018年11月3日笠間陶と暮らし 097

影響を受けた陶芸家は?

板谷波山とイギリスの女流陶芸家ルーシー・リーです。

2018年11月3日笠間陶と暮らし 340

陶芸家 東香織 Kaori Azumaプロフィール

2002年 山路和夫陶房に修業
2004年 茨城県窯業指導所 成形Ⅰ科卒業、馬場浩二氏に師事
2006年 茨城県窯業指導所 釉薬Ⅰ科卒業
2008年 笠間にて独立
2011年 第45回女流陶芸展 入選
2012年 第52回東日本伝統工芸展 入選 (以後54回・55回・56回展入選) 2012年 平成24年度茨城県芸術祭美術展覧会 入選
2013年 第22回日本陶芸展 入選
2013年 第53回東日本伝統工芸展 奨励賞受賞
2013年 第1回陶美展 入選 (以後2回展 入選)
2013年第60回日本伝統工芸展 入選 (以後63回入選)
2013年平成25年度茨城県芸術祭美術展覧会 優賞受賞
2014年 和食と現代陶芸-和食 世界無形文化財登録記念-茨城陶芸美術館にて 2014年 水戸京成百貨店にて初個展開催
2014 伊丹国際クラフト展 「酒器・酒盃台」入選
2015年 第33回長三賞常滑陶芸展 入選
2016年 第4回陶美展 十四代柿右衛門記念賞受賞
2018年 第64回日本伝統工芸展入選
2018年 第15回中国景徳鎮国際陶磁博覧会、日本陶芸家17人展笠間
2019年 第12回現代茶陶展  入選

日本工芸会 会員  日本陶芸美術協会 会員  茨城工芸会 会員

作品

8 (1)2 (1)
2 (19)3 (3)
4 (14)12 (3)

ライターコラム

私が東香織さんと初めて会ったのは、銀座の和光ホールで開かれた「女流陶芸家7人展」の会場でした。

当時私は銀座の隣りの築地で会社勤めをしており、外国人観光客が多くなった築地場外市場での昼食を避け、銀座にランチに出かけついでにギャラリー巡りをすることを楽しみにしていました。

展示されていた7人の女流陶芸家の作品群の中で、きらびやかではないが独特の雰囲気、輝きを放つ東さんの作品を一目で気に入ってしまいました。

15分ぐらい遠くから眺めたり、近くからいろんな角度で凝視する私に気付き、お声を掛けてくれたのがそれら作品の作者・東香織さんでした。

ライター 小暮貢朗   

 

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