最近よく耳にする「クラウドファンディング」、使ったことはありますか?
クラウドファンディングでは、自分でプロジェクトを立ち上げてお金を集め、やりたいことを実現することができるんです。
陶芸に関するクラウドファンディングのプロジェクトも多数立ち上げられ、目標額を達成しているものもたくさんあります。
もし「やりたいことはあるけどお金がない」と思っていたら、ぜひクラウドファンディングの利用を考えてみてください!
クラウドファンディングとは?
クラウドファンディングというのは、群衆(クラウド=crowd)から資金を集める(ファンディング=funding)という意味の造語です。
インターネット上に立ち上がったプロジェクトに対し、想いや実現したいことに共感した人がお金を払う(支援する)というもの。
やりたいことに対して目標金額を掲げ、リターンを設定すると、支援したい人はリターンを選択して支援することができるという仕組みです。
アメリカが先駆けとなって始まり、日本でも2011年からReady forやCAMPFIREなどのクラウドファンディングサイトがオープン。
そこから、ジャンル特化型や組み合わせ型のクラウドファンディングサイトが続々と現れています。
CAMPFIREから派生したGood Morningは、主に社会問題に関するプロジェクトのサイト。他にも、Makuakeやkibidango、MotionGalleryといったサイトがあります。
クラウドファンディングのタイプは3種類
クラウドファンディングは、そのプロジェクトの目的によって大きく以下の3種類に分けることができます。
- 寄付型
- 販売型
- 金融型
それぞれのタイプの特徴や使われ方について、詳しく説明していきますね。
寄付型
お金を払ってもリターンを得ることができない「寄付型」は、従来の募金のようなもの。集まった資金は全て寄付されます。
プロジェクトの内容としては、被災地支援であったり、環境保全、病気の人を応援するためなど、さまざま。
一個人に寄付するというよりは、どこかの自治体や団体、また病気の人を持つ家族などに向けて寄付を募る形になります。
販売型(購入型)
お金を支援した代わりに何かしらの物を手に入れることができるプロジェクトを、販売型もしくは購入型と呼びます。
販売するものは、物や食品、チケットなど、金銭以外のリターンであればなんでもOK。
陶芸でクラウドファンディングをしようと思ったら、おそらくほとんどがこのタイプになるでしょう。
リターンとして数種類の陶器を用意し、価格別にリターンを分けて買ってもらうといった使い方ができます。
陶器に関するイベントを開催するとしたら、その参加チケットをリターンに設定するのもアリです。
ただし、そのリターンが必ず実行されるかどうかはプロジェクトオーナー次第となりますので、支援する場合は注意が必要です。
金融型
支援者にリターンのない寄付型、支援者に金銭的なリターンのない販売型に対し、支援者に金銭的なリターンを設定するのが金融型です。
金融型の中には「融資型」「ファンド型」「株式型」と、さらに3つの種類があります。
ソーシャルレンディングとも呼ばれる融資型は、複数人からの資金を企業に融資し、あらかじめ決められた利率にもとづいて支援者に金利が支払われる仕組み。
ファンド型は、企業というよりビジネスに出資することになります。そのビジネスで出た利益を支援者に分配するというタイプです。
株式型は、リターンとしてその企業の株式を手に入れることができるというもの。株式投資に近いイメージです。
いずれの場合も支援者にはリスクがありますし、また陶芸に関するプロジェクトには不向きかもしれません。
クラウドファンディングを始めるまでの流れ
クラウドファンディングについて概要が掴めたら、実際にクラウドファンディングに挑戦する場合の流れについて見ていきましょう。
プラットフォームによって使い方に若干の違いはありますが、大まかな流れとしては以下のようになります。
プロジェクトの目標を決める
クラウドファンディングで一番大事なのは、プロジェクトの理念や目標です。
リターンが魅力的であることももちろん大切なのですが、クラウドファンディングでは「プロジェクトオーナーの想いや目的への共感」が支援につながります。
自分がどんな想いでこのプロジェクトを立ち上げたのか、また資金が集まったらどんなことを実現したいのかをまずはっきりさせましょう。
その上で、目標金額や期日、リターンを決めていきます。
利用するプラットフォームを選ぶ
現在あるさまざまなクラウドファンディングのプラットフォーム(サイト)には、それぞれ特徴があります。
例えば社会問題ならGood Morning、新商品の先行販売であればMakuakeが向いています。
迷ったら、Ready forやCAMPFIREなど、幅広いプロジェクトを扱っているCAMPFIREがおすすめ。
プロジェクトの必要事項を記入して投稿する
利用するプラットフォームを決めたら、プロジェクト掲載の申し込みをして必要事項を記入していきます。
- タイトル
- 目標金額
- 期日
- プロジェクト概要
- リターンとその画像
- トップ画像
は最低限必要です。
書き方に迷ったら、プラットフォームの窓口にプロジェクトの相談をすることもできますので、積極的に利用しましょう。
プロジェクトの審査を受ける
クラウドファンディングは、どんなプロジェクトでも掲載できるわけではありません。
そのプラットフォームで審査を受けて、問題なければようやく掲載可能となります。
この審査には数日〜一週間程度かかりますので、目標期日や支援機関を考慮して早めに申し込みましょう。
プロジェクトを拡散する
プロジェクトの審査が通り、無事に掲載されたら、いろんな人に知ってもらえるよう拡散します。
掲載されたプラットフォームから見て支援してくれる人もいますが、それはごく少数です。
基本的には、自身のSNSを使ったり知り合いに連絡するなどして支援を募ることになります。
支援者に活動報告をする
クラウドファンディングでは、支援者に活動の経過を知らせるための「活動報告」というものがあります。
現在のリターン制作の進捗であったり、イベント開催の様子など、実際に資金が正しく使われていることをこまめに知らせるようにしましょう。
その際は、文章だけでなく写真も載せることでより信頼感が増します。
リターンを発送する
プロジェクトが終了して資金が集まったら、支援者にリターンを送りましょう。
物であれば、支援者情報を元に発送。電子チケットであれば、メールでチケットを送るなど、期日までにきちんとリターンを送ってください。
プロジェクトに掲載していた発送期日を過ぎてしまってもペナルティなどはないのですが、信用問題になりますので必ず守るようにしましょう。
クラウドファンディングのまとめ
クラウドファンディングを使うことで、これまで「資金面で難しい」と思っていたことも実現できるようになりました。
特に芸術分野においては、クラウドファンディングを利用することで、個展開催の費用をアルバイトで稼ぐ間に制作ができるなど、アーティストにとって良い環境になることは間違いありません。
ただし「クラウドファンディングはただの資金調達手段ではない」というのも事実。
自分の想いや実現したいことを明文化し、多くの人に知ってもらうことで、応援者や仲間を作るといった目的もあるのです。
そのため、立ち上げたプロジェクトには真摯に向き合い、支援者に誠実に対応することが大切。
もし達成したい目標があるなら、ぜひこの記事を参考にクラウドファンディングに挑戦してみてくださいね。
文:ユキガオ