布志名焼と出西焼は島根の陶器【全国の焼き物と窯場を紹介】

全国の窯場
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布志名焼

布志名焼(ふじなやき)は、島根県松江市玉湯町にて焼かれる陶器。

布志名焼の歴史

江戸時代に松江藩の御用窯として開かれた窯場(雲善窯)で、大名茶人でもあった松平不昧公の好みを反映した茶器が焼かれた。

後に民窯の船木窯も開窯し、黄釉や出雲青地と呼ばれる青釉の日用雑器を焼き、一時は海外への輸出も盛んに行われるほど隆盛を極めた。

その後衰退するが、昭和になってバーナード・リーチや河井寛次郎、浜田庄司らの指導、交流の元に民陶として復活、再興を遂げた。

リーチの影響を強く受けているため、英国のガレナ釉(鉛の硫化物)に似た黄釉、飴釉などが用いられ(英国でガレナ釉を再現する際、布志名焼が参考にされた)、英国式のスリップウェアという手法を用いて焼かれる。

伝統の「スリップウェア」

素地にスリップ(泥状の色土)や釉下絵具を流し描きや筒描きして乾かし、素焼きせずにがレナ釉を掛けて焼く。イギリス陶芸の伝統的な手法である。

 


出西焼

出西窯(しゅっさいがま)は島根県出雲市斐川町出西にある窯元。また、そこで焼かれる陶器。

出西焼の由来

袖師や丹波、益子、唐津などで修行を積んだ地元出身の5人の青年によって開かれた。

1947年の開陶と歴史は浅いが、柳宗悦やバーナード・リーチ、河井寛次郎といった面々の指導を受け、モダンな作風で独特の世界を切り開いた。出西とは出雲の西という意味である。

出西焼の特徴

窯元は出西窯一軒だけであるが、窯主を持たない共同作業場となっており、土捏ね、轆轤回し、焼きなどの工程一つ一つが共同作業となっているのが特徴。

丈夫で安価で飽きの来ない「無銘の実用陶器」が共通理念であり、大衆向けの民陶として知られる。一方、粘土から釉薬、薪に至るまで原料は全て島根県産で通すなど、強いこだわりも見られる。