定年後の趣味は50歳から始めよう!!
※ 当ページの掲載作品はすべて筆者の手作りです。
残りの人生を考える・・・そして陶芸に出会う
「人生、思い立ったが吉日」と言います。それを後になって実感し、後悔したことはありませんか?「あの時やっておけば良かった・・・(溜息)」「いまから始めるのは大変だなぁ?」とお思いの方、まだ遅くはありません。今から準備し、始めましょう!!
特にシニア世代の仲間入りをした方には、「楽しめるうちに楽しむ」という考えを持つのが鉄則です。
「あとでやろう」は若い時の話で、シニアにとって健康で活動できる時間は少ないのです。
男性の健康寿命は平均で72歳。つまり「あとで後悔する時間」も残されていないのです。
しがらみから抜け出し、楽しめるうちに楽しむ
「後でやろう」と考えるのは、まわりの「しがらみ」を気にするからです。
どこかの時点で「自分の人生は自分で決める」と開き直らない限り、このしがらみから逃れることはできません。
「しがらみ」から抜け出すには、ある程度の犠牲は覚悟する決意が必要です。
どの時代もそうであったように、今の時代もいつ何が起こるかわかりません。
ちょっと昔を振り返ってみてください。米ソ冷戦時代がソ連の崩壊で終結し、文化大革命に明け暮れていたあの発展途上の中国が今のような経済大国になることを誰が予見できたでしょうか?
いわんやアメリカ・トランプ政権のなりふり構わずの自国第一主義を誰が予想したでしょうか?
明日のことでさえ、どうなるか確証はないのです。
「趣味は定年後に始めようか・・・」では遅すぎるのです。
では、いつから始めたら良いのでしょうか?
定年後にやってみたいことがあるなら、50歳のときから少しづつ始めるのがベターです。
仕事に差し支えなく、家族に迷惑をかけない範囲で、まず始めてしまうことです。
定年後にゼロから始める趣味では、自分が納得できる出来栄えや成果は期待できません。
老後のお遊びにしかならないのです。
早くから時間をかけて趣味の素地を作っておくことで、あとで差がついてくるのです。
人間関係って難しい!!
私が40年近いサラリーマン生活の中で、何が一番大変だったかというとズバリ「人間関係」でした。
それだけが悩みの種だったと言っても過言ではありません。
「仕事大好き人間」だった私は20代後半から30代の頃、2週間ぶっ通しで働き、気が付くと月に3日しか休んでいないという月もときどきありました。
「過労死」「働き方改革」が叫ばれている今とは程遠い「24時間働けますか」というCMが流行っていたころの話です。
いまは母親になった娘が幼児の頃、妻に「おとうさん家に帰って来ないけど何してんの?」と訊ねてきたそうです。
妻が「お父さんは働いてお金を稼いでいるのよ」と答えると、娘が「だっておかあさん、お金はキャッシュカードで出てくるよ?」と言ったそうです。
それをあとで聞き私は「このままではマズイ」「家族あっての仕事」なんだと深く反省しました。
そんな仕事人間だった私が苦手だったのが、仕事上での人間関係でした。
どうしても肌が合わない相手がいるものです。その相手がたまたま上司だったら最悪です。
私の場合もそんな上司とぶつかり、ストレスを溜める日々が続きました。
もちろん相手だけを責めるつもりはありませんが、相性が悪いのです。
「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」 ― 心理学者アルフレッド・アドラーの言葉ですが、私にとってまさにその通りでした。ストレスの原因の100%が人間関係でした。
「嫌われる勇気こそが大切だ」という言葉をあとで知りましたが、それを理解し、実践できたのは定年が迫っていたころでした。
諦めなければ、失敗はない
「失敗してもそれを反省して欠点を改めていけば、必ず成功できる」―本田宗一郎さんの言葉だったか、誰の言葉だったか忘れましたが、わたしはこの言葉が大好きです。
今もその思いで仕事を続けています。
私は40歳のとき、ステージ2のガンが見つかりました。
すぐに切除手術と25回の放射線治療を受けました。ちょうど仕事でニューヨークに家族で住んでいた時でした。
アッパーイーストの病院でドクターからガンと告げられ、その帰り地下鉄の中で「俺の人生は定年までないのか・・・」とひとりつぶやいたのを覚えています。
そのときドクターがガンの原因のダントツトップは「過剰なストレスの連続」と言ってましたが、自分のこれまでを振り返りまさにその通りだと実感しました。
不幸中の幸いだったのが、大好きだったタバコをやめることができたことです。
喫茶店で本を読みながらのブラックコーヒーとタバコの3点セットが至福のときでしたが、その習慣をあっさり葬り去ることができました。
この時自分の人生、生と死について真剣に考える機会になりました。
「生まれた以上は必ず死ぬ。早いか遅いかだけ」「生きているうちが花」「死んだらおしまい」・・・。
だったらこれからどう生きよう。
「生きているうちにやりたいことはやっておこう」と強く意識しました。
「第1歩を踏み出す癖」をつけよう
「考えすぎない」―自分で責任が取れる範囲なら「慎重さをNG」とし、まず「やってみることを最優先にしよう」と40歳を過ぎて初めて決意しました。
私たちが失敗する原因は「考え過ぎること」と「物事を否定的に考えること」です。
準備運動が終わったら、すぐに走り出すことです。考え過ぎて時間が経つとカラダが冷えて硬くなってしまいます。
「行動を習慣化する」「ルーティンに組み込む」ことが重要です。
毎日、毎週、毎月の生活の中で習慣化し、無意識に行動しているのが理想です。
失敗しても元に戻るだけ、マイナスにはならない
誰もが最初は「ゼロ」からスタートです。たとえ失敗しても、また振出しに戻るだけです。決してそれより後ろに戻るわけではありません。
失敗の経験は次のステップの財産になります。だから、一歩を踏み出すことが大事なのです。
ダメだったらその都度軌道修正すればよいのです。自分だけのことなら「前言撤回」、「朝令暮改」でもよいのです。
試行錯誤を繰り返すことが重要です。私の友人や知人でも還暦を待たずに、この世を去った人がいます。
そのひとたちが叶わなかった老後の夢をわたしたちは与えられているのです。その贅沢な時間をフルに使い切りましょう。
もっとわがままに生きよう!!
私はガンになることで、大きな宝を得ました。
そのひとつはまわりに迷惑をかけない範囲で、「気遣いすぎをやめる」ことです。
二つ目は日々「死を意識する」ことで、逆に「生を意識する」ようになりました。
私は「お付き合いゴルフをやめる」、「酒席の二次会は遠慮する」ことで、新たな趣味を持つ時間ができました。
夜は好きなシャンソンやジャズのライブハウスに通い、週末は陶芸、サイクリング、写真撮影、おじんバンド、描画、茶道など新しい趣味に次々とチャレンジする時間ができました。
自分の人生を変えたいなら、間違いなく「やめること」からはじめるべきです。
あなたの100%の時間を120%にはできません。
いまの時間を80%に減らすことで、新たに20%の時間を作り出すことができるのです。
必要なことはまず「やめる」ことなのです。本当に自分が大切と思うことに時間を費やしたいなら、何かを「やめる」ことです。
いまの自分の生活をゼロから総ざらいしてみましょう。
そして陶芸にのめり込む
以上のような経緯から、私は次第に陶芸の世界にのめり込んでいきました。
「陶芸は面白い」「土をいじっていると厭なことを忘れる」「ストレスがなくなっている」ことに気が付きました。
アマチュア陶芸家のひとりごと Vol.2へ続く